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ひとつの終わり。ひとつのはじまり。

 2014-09-21
私の家から見える、那覇市の風景。



中央に見えるのが、那覇タワーと沖縄三越。

今日、沖縄三越が57年間の営業を終え、その歴史に幕を下ろした。

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営業最終日ともあって、最後の別れをしようと、
大勢のお客様が詰めかけたようだ。

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国際通りのちょうど真ん中ほどにあり、
山形屋とともに、国際通りを牽引してきた百貨店だった。

閉店時刻の午後7時には、店舗の周囲にひとだかりが出来、
那覇署が警備にあたるほど。

店内のお客さんが全員外に出た午後7時45分ごろ、
玄関で社長さんがお客様に最後のご挨拶をし、
沖縄三越のシャッターが閉じた。

集まった人々からは、盛大な拍手が贈られた。

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私も群衆にまぎれていたが、
周囲にはご年配の女性もたくさん詰めかけており
「寂しくなるわねぇ」という声があちらこちらから聞こえてきた。


かつての国際通りは、那覇市民の、そして、県民の憩いの場所であり、
買物・レジャーの中心地であった。

しかし現在、国際通りを訪れるのは、観光客がほとんどを占めており、
周辺の店舗も観光客向けを意識した所が並んでいる。

那覇市民は、おもろまちや小禄などに分散し、
サンエーやイオンが県内各地に進出したおかげで、
県民は、バスでわざわざ那覇まで出てきて買い物する必要が
なくなった。

時代によって、地域の役割も移り変わる。

沖縄三越も、その移り変わりの中で、
ひとつの役目を終えたのだ。

「寂しい」のは、人の情であり、
建造物を、自分自身の人生を振り返るひとつのツールとして
とらえているからだ。

三越自体がなくなるのが寂しいのではなく、
三越の中で時間を過ごした過去の(若き日の)自分の
面影がなくなっていくのが、寂しいのだ。

しばらくすると、沖縄三越のあった場所に、
新しい建物ができるだろう。

そうやって、時間の流れに従って、
「寂しい」を繰り返しながら、地域も、建物も、自分自身も、
その役割を変えながら、生きていくのだ。

ひとつの終わりは、ひとつの始まり。

明日から、また新しい一週間がはじまる。



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